不登校に悩むお父様からの相談/ 中学1年生

中学1年生のお子さんのいらっしゃるお父様から相談を受けました。

『実は、娘が学校に行きたがらないんです』と。

このお父様は私が勤める会社の担当銀行マンさん。週に一度世間話を交える方で、個人的なお付き合いはありません。今日も世間話で日本の経済・教育・事件、などのお話の中で引きこもりの事件について話しておりました。

その中でまた新たな発見がありましたので、ここにご紹介します。

【子供が不登校!?】親の対応

このブログでご紹介しているように、我が家の長男は引きこもりです。特別書いてはいませんが、次男も引きこもり、不登校の時期がありました。3人とも、私もだから4人?見事に全員遅刻常習犯です。

なので。お子さんが『学校に行きたくない』と言い始めた時、実際に行かなくなった時の親御さんのお気持ちはとってもよく解ります。

『どうしよう!!!』という思いと『大丈夫?何かあったのかしら?』という気持ちが交差、もう居ても立ってもいられない気持ちで、始終心に重いものがのしかかったような状態にあるのではないか、と思います。

さて・・・どうしたらいいのでしょう。大変難しく、正解のない問題です。

【子育ての悩み】中学1年生のパパの胸の内

その銀行員パパと引きこもり事件について話していました。で、先日このブログでも書いたように、『引きこもりは決して特別な問題ではない、誰にでも起こり得る話だ』と、少しビジネス的態度で話していました。https://www.waratteikiru.com/loneliness/

すると、そのパパさんがとても真剣な顔で色々な質問をしてきたわけです。国の制度のこと、不登校のきっかけ、発達障害の治療のことなど。

ですので、ちょっと突っ込んだ話をするために『実は我が家は当事者なんです』とお話をさせて頂いたところ

『実は娘が不登校で・・・』と話し始めたのです。正直驚きました。仕事上の担当者で会社の応接室ですし。・・・たぶん、相当悩まれていらっしゃったのでしょう。沢山話してくださいました。

【子供の気持ち】友達ができない

娘は友達ができてないんです。学校に行くのが辛い、と夜泣くんです』そう切り出されました。

銀行員パパの娘さんは4月に中学に入学したばかりです。学校は地元の中学ではなく、隣の市まで電車で通っています。娘さんのことを思い計ってご本人も納得した上での進学で、入学当初は隣町の駅まで奥様が一緒に通学に付き合ってあげていたようでした。

娘さんの通われる中学は大学まで備えた県内有名校で、女子が生徒の大半を占める学校です。女子同士、グループができてしまうと特別阻害されていなくても孤立感を強く感じるでしょうね・・・

パパさんのお話から想像するには、そんなに積極的ではなく熟考して動くタイプのお子さんのようで、自分からは積極的に話しかけるタイプではないそうです。クラブ活動が盛んな学校ですが、それには所属しなかったようなので、クラス以外の繋がりも生まれにくい環境のようです。

ご両親からの相談に、担任の先生も対応してくださり、活発なグループに掛け合ってみてくれたり、という働き掛けもしてくださったそうです。逆におとなしい級友からクラブ活動に誘ってもらったりもしたそうですが、打ち解けられなかったようです。

現在で入学して2か月未満。どうもGW前にはお悩みが発生していて、担任の先生にも相談に行っている 、ということをお聞きするに、娘さんご本人もご両親もずいぶん辛い思いをされているんじゃないかなぁ・・・と推察しました。

親御さんにとっては、我が子が不登校かも、というのは結構辛い心境です。

【親の気持ち】どうしたら良いのか

地域の中学校に行かずひとり隣の市へ進学させた、いつまでも親がついて行く訳にはいかないけど、勇気を出して仲間に入れてもらったらいいじゃないか、普通に学校に行ってくれさえすればそれでいいのに・・・ごくごく当たり前の思いを持たれながら、とても娘さんのことを考えていらっしゃるのが伝わってきました。

家ではなるべく学校の話はせず、朝も遅刻はしても仕方ないから決まった時間に起きるようにだけはさせている、GWは家族で話ができるようキャンプや旅行に行ってみた、など、本当にいろいろ考えて努力されていらっしゃるようでした。

そのお話の中で私がお答えしたのは『年齢が大きくなれば集団に溶け込めないことがそれほど重要ではなくなるので、もし娘さんがご自身の嗅覚でこの人たちとは合わないと感じているのであれば、他の出会いを待たれたらどうですか?ひとりだけ気の合うお友達ができれば十分ですよね。でも行動範囲がクラス内だけだと範囲が限られるので、他の人との接点を持つ、という意味合いでクラブ活動に所属してみるのも1つの方法かもしれませんね』といった、あくまで娘さんが主体で考えられる方法、気持ちのあり方の提案だけです。

あとは『集団生活で馴染むことが必須ではない、今の日本の教育は集団で働ける人材を作ることが主で、自営業者になれる教育はしていないですよね、もしかしたらひとりで歩ける強さをお持ちのお子さんかもしれませんね。』という現代の教育に対する苦言と、『娘さんが手助けを求めているのであれば、その手を振りほどかれるまで手を繋いであげてください、一緒にいられる時間は娘さんの一生でも短い時間です。』という事を自分の後悔を交えて伝えました。

【子育ての悩み】抱え込まないで

仕事中に思わぬ相談を受けたわけですが、銀行員パパはいくつか目から鱗が落ちた瞬間があったようです。

やはり初めての子育てっていうのは、すべてが初めてで不安で仕方ないですよね。それなのに想定外のイレギュラーが起こってしまったら、それはそれはパニックだと思います。

昔、長男が不登校になって8ヶ月が過ぎたころ、岡山県では著名な今は亡き精神科の先生のところに相談に行ったことがあります。そのとき、言われたんです。

初めての子供は親も初めてだけど、子供も初めて「子供」をやっているんだよ。三輪車ではなくコマを外したての自転車なんだ。転んでたくさん怪我をする。そして三輪車のようになっていくんだけど、この子(長男のこと)は三輪車のコマが1つ足りない状態なんだよ。

おかあさん、この子が生まれたとき、何を思った?『息をしてる、手が足が揃ってる、目が見えて耳が聞こえてたらいい』そう思わなかったか?それがだんだんと欲が出てきてそんなことを忘れてしまうんだよね。・・・ゆっくり休ませてあげたほうがいい

その言葉に従って世間のペースに乗せない選択ができていれば、あの子をあれほどまでに苦しませずに済んだのにな・・・という後悔があります。今だからこそ迷わず言えます

いま悩んでいらして辛くてたまらないお父様、お母様・・・諸諸

同じような経験をされて苦しんでいらっしゃる方は意外と身近にもいらっしゃいます。世の中で孤立したような気持ちになっていらっしゃると思います。でも、ひとりじゃないから。

引きこもり、不登校、朝時間通りに登校できない、それは恥ずかしいことではありません。

高校に行けなければ高校卒業程度認定試験で高卒資格を取って大学や専門学校に進めばいいんです。その3年間なり数年間、やりたいことに尽力させてあげればいいと思います。

鬱病になってしまったら自傷行為、自殺未遂、毎日続く発熱・下痢などの症状に悩まされ、文字通り寝たきりの状態になってしまいます。そんな悲しいことにならないうちに

親も子も、自分に対して無理なく・楽に生きられる方向を模索してください。

道程は長いですから、楽~に、頑張らずに頑張りましょう!!

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