お鍋のおいしい季節となりました。お野菜の摂取がしやすくて、簡単で、お鍋料理は主婦の味方ですよね!
国の推奨する『野菜を1日350g摂りましょう』これを実行しようと思ったら、結構大変ですよね。量が多そうで。
それに、何をどれだけ摂ればいいの?こうなると、よく分かりませんよね。色の濃い野菜を摂っていれば栄養素も高そうだけど・・・
食の安全が重視され始めた現代では、『オーガニック』『無農薬』『減農薬』『産地直売』など、なんか体に良さそうな響きの野菜も数多く売られている中で、工場で製造されている野菜も登場し始めました。
本当はどれを選べば身体にいいの!?どうすれば安全で美味しく食べられるの!?
値段重視で買い物をしている我が家ですが、野菜を自然農法で栽培して直売所に出品したこともある経験から、野菜の栽培について持論を述べていきます。
野菜の栄養素について考えてみる
『最近の野菜は昔の野菜に比べて栄養素が少ない』 そんな言葉を聞いたことはありませんか?
『旬の野菜は身体にいい』 では、こちらはどうでしょう?
兼業農家育ち、自然農法で家庭菜園を経験した身としては、どちらも正解だと思っています。
今の野菜は栄養素が低下しているって本当?
まずはこちらをご覧ください。こちらのHPより抜粋させていただきました。
原因について、さまざまなことが言われています。①測定の仕方が、今と昔とでは違うとか。②旬がなくなり、旬でないとき、つまりその作物にとって適期でない時期に栽培されているから栄養価が上らないとか。③品種改良によって、現在の品種は、病気に強いが、栄養価は低いとか。さまざまな原因が考えられています。
アグリウェブHPより抜粋
野菜の栄養素について、このような記事がインターネット上で多く見受けられます。
その原因も引用の①〜③の理由によって、実は栄養価は変わっていないんだ、と主張されている記事もたくさんあります。
実際に食べていて栄養価が多いとか少ないとか、そんなこと分かるハズがないのですが、自分自身の印象として『野菜の味が薄くなった』ということです。
特に農家育ちで、無農薬、採れたて野菜を食べていたからかもしれませんが、『味が薄い』と感じるのです。
ほうれん草などはアクも強く、本当は毒素も高い野菜ですので、昔は生では食べませんでした。これらは品種改良されているのかもしれませんが、それでも、味が薄いですよね。
人参もそう。昔の人参は臭みが強く、しっかり煮ないと美味しくなかったです。でも、とろけるくらい煮込んだ人参はとても甘かった。
これらの、野菜の持つ独特の臭みやエグ味、アクなどが野菜嫌いを引き起こしていたようにも思えます。今でも野菜嫌いの子供は一定数居るんでしょうけれど。
旬の野菜を食べよう!季節によってこんなに違う栄養価
昨日、近所の野菜直売所で県内野菜を仕入れてきました。地物で、おそらくほとんどが路地野菜(ハウス栽培などでなく)。これだけ購入してお値段は1,300円ほど!!嬉しくてホクホクします。
普段食べるお野菜は、大体このお店で購入しています。
ここで扱っているのははほぼ旬の野菜です。よく旬の野菜がいい、と言われますがそれは何故でしょうか?
同じ土壌で作られているのに何が違うの?そう思われる方もいらっしゃると思います。
では、東京新聞からお借りした下記の図をご覧ください。
結構差がありますね。季節のよっては倍以上の差があります。
野菜ジュースでおなじみの、カゴメさんのHPもご参照ください。
あ!それぞれの野菜の旬ってご存知ですか?定番野菜はスーパーに行けば1年中購入することができますから、旬ってもしかしたら農業が身近でなければ、あまり関係ない事柄なのかも、ということに気が付きました。いかがですか?
簡単に言えば、自然に芽が出て実がなる季節、それが『野菜の旬』です。
厳密に言えば、実は、現代販売されている種子は代々実がつく機能がなく、自家採取のできない一世代限りの『F1』という種子がほとんどなので、自然に芽が出ないのですが、とりあえずそういうことです。
話が逸れましたが、その作物にあった環境で育った実を食す、それが一番栄養価が高い、ということです。
本来であれば生育しない季節に、生育できる人工的に環境を整えたり、遺伝子操作をしているわけですから、当然と言えば当然かもしれません。
人間も同じですもんね・・・
無農薬栽培の野菜と有機栽培の野菜
『有機栽培』『オーガニック』『無農薬』『減農薬』『産地直売』などなど、体に良さそうな響きの野菜たち。
どれも、何も表示されていない野菜よりも身体に良さそう!ですが、本当にそうなのでしょうか?
判断するのは自分自身ではありますが、判断材料として、その違いを見てみましょう。
有機栽培の定義
まずは有機栽培を調べてみました。オーガニックというのは有機と同じ意味合いのようです。
「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下のとおりです。
農林水産省HPより引用
①化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
②遺伝子組換え技術を利用しない
③農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。
これはなんとなく、身体に良さそうだぞ!?そんな気がしますね。では本当にそうなのでしょうか?
有機栽培で作られた作物には、『JAS規格』というマークがあるそうです。見たことがある方も多いかもしれませんね。
それは、栽培方法がJAS規格に適合しているかどうかを認証機関が検査し、合格した場合のみ貼ることができるマークのようです。
農林水産省のHPには、詳しく書いてありますが、ポイントのみ抜粋します。
①周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じている
農林水産省HPより引用
②は種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しない
③組換えDNA技術の利用や放射線照射を行わない
など、「有機農産物の日本農林規格」の基準に従って生産された農産物のことです。
これは厳しいですね。有機栽培へ切り替えるためには最低2年間、農地を休ませる必要があるということです。
土作りは科学的であり生き物であり、とてもとても大変。
実は、農業やりかけた時、これを見て諦めた経緯があります(笑)
でも、これで栽培された作物なら、なんか安心!という気がします。マークの有無も参考になりますし、購入する際の参考になりますね。
無農薬・減農薬栽培の定義
では次に気になる『無農薬(減農薬)野菜』こちらも調べてみました。
なんと!!無農薬とか減農薬という表示は禁止されているんですね!
特別栽培農産物に係る表示ガイドライン に詳しく書いてありますが、素人には解りかねます。指定農薬とかなんちゃらかんちゃら。
では、その特別栽培農産物とはなんなのか?
その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。
農林水産省HPより引用
ということだそうです。つまり、全国的な統一定義は無い、ってことでしょうか?
この『特別栽培農産物』という表示があれば、他のより化学肥料等が少ない、というくらいの認識でしょうかね?科学に弱い主婦としては。
自然栽培ってご存知ですか?
農家さんが肥料を使用するのはなんとなく意味がわかる、とい方も多いと思います。
では何故、農薬を使用するのか?
病気や虫の害を予防するため?またはその駆逐?
そうですね。では何故、そんなに虫が来るのか?「当たり前でしょ?作物が餌なんだから」「美味しい野菜に虫がつくって言うよ」
確かにそうかもしれません。でも実は、それだけではないんです。虫が多く寄るのは肥料が多すぎる場合もあるんです。それは有機肥料でも化学肥料でも同じ。
肥料を沢山入れる→虫が沢山つく→そのために予防として農薬を使う
これが推奨されている農業の一連の流れです。農業を始めようとしたら、農協さんから指導員が来て、推奨の種子、有機肥料、化学肥料、道具、作り方・・・色々教えてくれます。
現代日本ではこれが当たり前になっていて、高価な肥料を使って栽培をし、そこにまた高価な農薬を使う仕組みになっています。(農家は利益が薄い)
この流れに反して、というか、この流れに疑問を持ってしまうと誰も教えてくれません。勝手にやれ、と放り出されてしまいます。
しかし、ほんのわずかではありますが、そんなことにも負けず、数々の研究と経験を重ね、肥料も農薬も使用せずに立派な作物を栽培されていらっしゃる方々もおられます。
それが、いわゆる【自然栽培】
自然の力で、植物の持つ本来の力で、安全で美味しい、地球に優しい作物を栽培する方法です。
こちらの動画は『奇跡のリンゴ』で有名な木村式自然栽培農法での取り組みをされていらっしゃる団体からお借りしました。
自然栽培には木村式だけではなく、色々な手法があります。もう、奥が深すぎて私が説明できるようなものではありません。
それぞれ化学的な面からも研究されていらっしゃいますので、興味のある方は是非参考になさってください。この手の考え方、化学好きの次男はすごく納得しておりました。
【地産地消】家庭菜園で自然栽培をしてみませんか?
父の田圃とカブトエビ
我が家が亡父の農業を継いだ時(諸事情で今はお休みしていますが)、晩年の父がしていた方法を真似てみました。それがまさに自然栽培。
お米はさすがに無農薬、というのは難しかったようですが、本当に少ない農薬・肥料で栽培していました。
そのおかげか私が子供の頃から、うちの田圃には今ではほとんど見られない『カブトエビ』や『おたまじゃくし』が沢山いました。ここ数年は水を入れていないので分かりませんが、おそらく今でもいると思います。
その田圃で作った朝日米は大変に美味しくて、もう一度食べるには自分たちで作るしか無いのか・・・?という思いがあります。
う〜む・・・悩むところだ。
プランターでもできる家庭菜園
米作りは、ほとんど無農薬で父の死後も3年間実践しましたが、2年連続で収穫の1週間前に獣害にあい、心が折れて辞めてしましました。
野菜の方はビニールハウスでの栽培で、いろんなものを作りました。
農法はもちろん自然栽培。本やインターネットで資料を漁り、肥料は緑肥と植物性の肥料を中心に使用し、消毒は農業用のにがり。防虫はニーム。カルシウムは自宅で食した牡蠣殻と卵の殻。
最初の年は営農研修で学んできた鶏糞を使用したところ、小松菜が虫食いでレース状になり、これはいかん!!と、すぐさま腐葉土と緑肥に切り替えました。
その後は割と順調で、アブラムシ以外の虫食いに悩まされることも減っていきました。
自然栽培をするには土作りに時間を要しますが、厳密なものでなければ手軽に試すこともできると思います。
やり方としては
- 野菜の土(なるべく牛糞・鶏糞の入っていないもの)をホームセンターで購入し、腐葉土・バーク堆肥など、植物性の肥料を混ぜ、プランターで土を作ります。
- 種子(おすすめは固定種)は直接撒くよりも、容器で発芽させてから移植します。その方が発芽率がいい。
- 芽が出てきたら、10,000倍に薄めたにがりを消毒、や肥料の代役で使用します。
- 虫除けにはニームをお試しください。
にがりは海水由来のため、必ず薄〜く希釈してくださいね。
これらの方法で栽培した野菜を食べていた頃、花粉症が出なかったので、健康に気を使われる方には超おすすめの節約方法です!
【食の安全を知る】野菜の話 まとめ
化学肥料が日本に導入されておよそ100年、農業の主流になったのは、ほんの50年前です。寿命も延びたが病気の質も変わってきました。
最近こっそり可決された日米FATにより、これからますます食の安全が、国によって脅かされます。できることは自分で自分の身を守ること。現在売られている種子のほとんどがF1(交配種子)ということも知られていないですよね。
毎日食べている野菜がどんな過程で栽培されていて、どんな行程で食卓に上るのか。
そこから知ることが、健康への近道なのかもしれません。
農業の話は、食卓、健康に直結します。健康で豊かな生活を送るために・・・