時給1500円は高いのか?健康で文化的な生活のできる賃金を!

今、参院選挙に向けて、最低時給1,500円!!と叫ばれています。消費税をなくす、とか。

無理だろう!!?あり得ないよ!!

そんな言葉を沢山聞きます。本当にそうなの自分なりにちょっと検証してみました。

時給1,500円は高いのか!?固定給23万円は安い?年収300万は?

まず。貧困層、という枠は年収何円まででしょうか?ご存知ですか?

こちらのグラフをご覧ください。ツイッターで一時話題になりました。

ツイッターよりお借りしました。
x.com

あなたはどの層に属していますか?

私は・・・マイルド貧困層ですね。

え!?正社員なのに!?

え!??トリプルワークなのに!!!?

まぁ、これは世帯の人数によっても随分変わってくると思いますが、それにしても!!

日本国内でマイルド貧困層までの人が

70%!!って!!

知ってはいたけど、改めて驚きます。

我が社の社員、みんなマイルド貧困層じゃん!

で。時給1,500円で一般的なフルタイム勤務をした場合

21日×8時間=252,000円年末年始・GW・お盆は約-60,000円)※総支給額

すげ!!高すぎだろ!!・・・って思った方、たくさんいらっしゃると思います。

では年収換算すると、約280万円。あれ?そんなもん?ま、非正規だしな。

では。一般的な事務員さん、月給200,000円 ※総支給額

非正規の方が高い!やっぱりあり得んわ~!!!一瞬でも頭をかすめた方、たっくさんいらっしゃるでしょう。私も思います。

で、こちらを、賞与2ヶ月分/年として換算すると、約280万円。あれ?同じだ。(そして、この数字から、月々の健保・年金・税金を4万円として引くと224万円になります。覚えておいてね)

ってことは?賞与がもう少し多かったら、正社員の時給は1,500円より少し高い、ということです。

ということは・・・

  • ブラック企業で安月給なんてやっとれん!!派遣に行こう!
  • リストラされた・・・バイトしないと・・・
  • 自由がいいから派遣かバイトでいいや。
  • 接客業やりたい、バイトしよう!!

などの選択をするとき、手取り16万円(年平均で)ほど稼ごうと思ったら、時給1,500円、もしくは1,000円で1.5倍の時間を働かないと、無理!!なんです!!

で、最後。生活保護。ここではシングルマザーを例に換算します。(母と小学生1家族

その額、186,520円!!

うわ・・・ちょっとショック受けた・・・不足分だけでも貰っときゃよかった・・・

私が離婚後すぐ貰って置けば、265,000円だった・・・)

生活保護家庭は、確か年金とかが猶予か免除なので、実質手取りがこの金額になるはずです。

生活保護の金額を1分で自動計算します!生活保護.net
令和6年度の生活保護費を簡単な入力だけで自動計算します。全国1741市区町村に対応。まずはお住まいの都道府県・市区町村を選択、次にあなたの年齢、世帯構成などを入力してください。1分程度の入力であなたが...

年額224万円。あれ?この金額、どこかで登場しませんでしたか?

そうなんです、手取り16万円の正社員さんと生活保護の方は、ほぼ同じ金額!しかもらえていないんですよ!!驚愕の事実!え、知ってた?ゴメンなさい、これがワーキングプア、ってことですね。

ってことは、現在、岡山県の最低時給は807円。これで手取り16万円にしようと思うと、ボーナスなしの総支給額20万円だから・・・単純計算で248時間/月。ちゃんとした会社で、深夜とか残業代で計算してくれてたとしても、176時間+58時間(超過勤務で1,008円)=234時間

それで、家賃払ってNHK払って・・・貯蓄なんかできるわけがありません。

つまり、現在の時給は、国が決める『健康で文化的な生活』の生活費、その56%くらいにしか満たない、憲法違反の時給、ということが言えると思います。

それで正社員のかわりにして、企業が利益を上げている、それって、おかしいよね?

いいですか?生活保護費が高すぎるんじゃないんです、賃金が安すぎるんです!!足の引っ張り合いをしても、決して自分の生活はよくなりません!!

1980年代、フルタイムで働く人は、正社員か日雇い、自営業、そんな感じだったと思います。正社員がやっていた仕事を、フルタイムの非正規雇用にした気がする。

バブル崩壊→企業の利益保持のために正社員を解雇(バブル期に採用しすぎたこともあるかも)→正社員だった人が非正規に&中小下請け企業は大手から買い叩かれ、売上激減→給料を下げざるを得ない→貧困化&消費税増税→経済の悪循環 

(派遣会社を作った大企業は利益増大、派遣業者増える ※派遣先は正社員より高額なお金を払う)

そりゃ、みんな貧民になるわ・・・

非正規雇用と正社員ではどちらが良いのか?

人材派遣は大昔から行われていた

日本でも明治期、あるいはそれ以前の江戸時代から、建設現場などを中心に「人貸し」「人足貸し」といわれる、労働者を送り込んで働かせる業者が存在していた。もちろん、法律の裏づけもないため、雇用関係や責任の所在は曖昧で、不当な中間搾取(いわゆるピンハネ)も横行し、労働環境としてはきわめて劣悪なものであった。現在、職業安定法で「労働者供給事業」が原則禁止とされているのは、こうした歴史が背景にある。

引用【日本の人事部】より人材派遣の歴史

https://jinjibu.jp/f_haken/article/detl/outline/836/

人材派遣の歴史、から引用しました。労働力は安いほうが良い!!ってかー。今もあんまり変わらないな・・・福島の原発事故現場での仕事とかもそうだし、毎日8時間の残業をさせて、1円も払っていない会社とか・・外国人労働者の過酷な労働環境も、結局同じことですね。

どうやって人件費を抑えて儲けるか!しか考えていない(怒)から、高齢化で人材不足なんだよ!!

法律が作った貧困化、非正規雇用の増加との関係

派遣事業売上高派遣法改正の関係をグラフにしたもの。顕著ですな〜。

  1. 1986年専門的13業務 ( ソフトウェア開発、事務機器操作、通訳、翻訳、速記など) でスタート
  2. 1996年改正;26業務 ( 研究開発、広告デザイン、インテリアコーディネーターなどが追加) になる
  3. 1999年改正:ポジティブリストからネガティブリストへ。ほとんどの分野でOKとなる。一般的業務の受け入れ期間は1年。専門的業務は最長3年。
  4. 2004年改正:派遣受入期間の延長(原則3年に変更され、一部業務については制限が撤廃)紹介予定派遣。製造業への派遣解禁。
  5. 2007年改正:特定製造業務の派遣期間が3年間に延長。

13年で1万人増加だった派遣労働者が、③の法改正から5年で1万4000人増加。就職氷河期(1993年ー2005年)とも重なっています。これはやはり、企業の利益を守るために、こうした世の中の流れを作ったのでしょう。

・・・そこに、国民の『健康で文化的な最低限の生活』を守る意図は見受けられない気がします。下記の厚生労働省からの資料と、ご自身の収入・生活を重ねて見てください。

自由な非正規社員と正社員では、やっぱり正社員になるべきなの?

ご自身のご都合や、自由のために、非正規な働き方を求める人が多いのは分かります。そういう方は、他にやりたい仕事があったり、大切にしたい時間の過ごし方、があるのだと思います。

でも、そうではなくて。働く力がある方が、企業側の要因で、非正規でしか働けないのだとしたら。正社員になっても、そこが、著しく労働基準法に違反している会社だとしたら。

こう言いながら、私も、中小企業に勤めるよりは、一部上場企業のアルバイト、大手派遣会社、って思ってきましたし、今でもそう思っています。

だって。総支給18万円で、有給休暇取れなくて、超過勤務手当も付かなくて、副業禁止で、労災も無視。毎日1時間サービス残業したら、時給1,100円くらいなんです。

それだったら、法令を守ってくれる、一部上場企業がいい。

この思いは、大手の派遣、バイト、地元の造園会社・・と、3年おきに転職を繰り返してきた次男も、同じように考えています。それほど中小企業の労働基準法無視はひどいし、労働基準局は取り締まりしないので。法令は守らなくてもいいんです。見つからないから。蔓延しています。

だから!仕方なく、非正規雇用に職を求めるようになる。

もしも、法律でここまで企業の利益が守られていなければ・・・

バブル期ほどの給与の上昇は見られなくても、景気の上昇とともに正社員、もしくは生活保護費を下回るようなことのない、最低時給が設定されていたら・・・低所得の人には実質関係のない扶養控除、ではなく、基準を下回る人には扶養手当を付ける(児童手当のように)などの制度を作ってくれていたら・・・

結局、どちらにしても搾取されているんですよ。

どちらにしても納得の上で勤めるのは、個々の自由であり、個々の生き方であると思います。

でも、納得いかないのであれば、残業手当が欲しい、有給休暇を取得させて欲しい、交通費を払って欲しい、労働契約書を交わして欲しい・・・などなど、不満があるのであれば、訴えるべきです。

まずは会社に。それでダメなら労働基準局に。

多分、どちらを選択しても、求める結果は得られないと思います。そんな国、そんな世の中です。

自分自身の価値を測る、価値を上げる

ハローワークの情報を見ていても、求人誌、求人サイトを見ていても、ため息だらけの求人ですが、時々高時給なもの、サイトがあります。

もしかしたら、今すぐにでも、高待遇で転職できる職場があるかもしれない、少し努力したらありそう、かもしれない。

私のように、50代を過ぎていればナカナカ難しいですが、40代までであれば、なんとかなるかもしれません!

求人情報は、賃金とスキルのデータが出揃った資料です。いくら欲しいのか、どの仕事ならできそうなのか、どんな資格を取るのか、どんな経験を積めば良いのか。

少しでも最短ルートを選択し、そちらを向いて、より近しい情報を得ることから探してみてください。きっと何かの情報が、貴方の元に落ちてきてくれます。

誰かにそのことを話してください。きっと何かのご縁がやってきてくれます。

そして、寄り道をせず、まっすぐに努力してみてください。

きっと、3年後には違う場所に立っていることでしょう!!

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