育てにくい子
ここで我が家の長男について少しお話ししておきます。
長男・龍①は2019年5月現在28歳、来月で29歳になります。仕事はしておりません。ニートです。双極性障害と診断されて8年、働くことが困難なため、昨年申請をして精神障害者2級となりました。
ことの起こりは中学3年生で不登校。このことを話すと長くなるので、こちらをご参照ください。ザクっと概要は読んでいただけると思います。
あの頃は今のように発達障害というWORDは出回っておらず、グレーゾーンは無く自閉症か健常の2択だったと記憶しています。
ですから、今では発達障害と診断され、治療を受けられるような子供達も扱いにくい子、先生の言うことをきかない子といったような括りで、肩身の狭い思いをしておりました。
息子達が『発達障害かも?』と思ったのは、心療内科に通い始めた18歳の頃です。もう既に鬱病の治療を始めていたので、医師に聞いてみただけですが、『おそらくそうでしょう』という回答でしたよ。
もっと早く分かっていれば、彼の人生もまた違ったものになったでしょうが今更仕方ないので、前向きに生きるため、今からでも遅くはないので、確認作業と『こんな子もいるよ』という例を挙げるという面も兼ねて、小さい頃の様子を振り返りながら、やはり問題があったかも?というエピソードを書いております。
ケンカっ早くてこだわりの強い繊細な子供
売られたケンカは全部買う
これ、今でもなんですけど、龍①は1歳の頃からそうでした。ケンカ、あまり売らないけど買うんです。ちょっと高めに買っちゃいます。
1〜2歳の頃、お向かいにやんちゃで大柄な1歳年上のお坊っちゃまが住んでおられました。この子が何かにつけ長男に手を出すのです。アスファルトの上だろうがおもちゃの上だろうがお構いなく飛びかかって倒されました。その都度泣くのではなく抵抗してやり返すので、お返しに噛み付かれたり後頭部をぶつけたりと、生傷が絶えませんでした。
何度やられても逃げないし泣かないのです。男らしいぞ!なんて思ったりしてましたが、その気質は大きくなっても変わらず、小学校の高学年くらいからは徐々に問題となっていくのでした・・・
虫は踏み潰すもの、残酷な一面
あれは2歳の頃でしょうか。外遊びを始めた頃ですから2歳前から3歳頃のことだと思います。
虫を踏み潰すんです。サンダルで。見つけたらほぼ100%!その時の表情は無のまんま。何事もなかったかのような素のままの顔で。
赤ちゃんの時に一緒に育った猫はとても可愛がっており、動物は今でも大好きです。
だからこそ、余計にあの頃、何故そんな行動を取っていたのか分からないままです。
残酷な一面と言えば、弟を階段から突き落としたことがありました。幸い下でキャッチしたので何事もありませんでしたが、長男2歳半、次男1歳の頃です。当たった、とか、特にケンカをしていたとかではなく。ポン!と押したように見えました。それがどういうことか分かっていなかったかとは思いますが、怖い出来事だったのでよく覚えています。
服の色は統一したいの!
これも2歳の頃です。色へのこだわりが強く、上から下まで一色で統一しないと気がすまない頃がありました。
赤いTシャツ・赤い半ズボン・赤いニーソックスの日
黄色いTシャツ・黄色い半ズボン・黄色のくつ下の日
など。原色が好きで、赤や黄色を好んで着ていました。2歳の誕生日頃には既に、毎日服のコーディネートを自分でしていました。イヤイヤ期もこの頃だったので、ただイヤイヤしてただけかもしれませんけど。
弟の入院・親への不信感
1歳と8ヶ月のとき、嘔吐下痢が流行ったことがあり、弟が入院することになりました。その時、父方の祖父母に10日間預けられ、その間に全く会いに行けなかったことがありました。
退院してすぐに迎えに行ったのですが、私の顔を見た瞬間、知らない人を見たかのような顔をして、目も合わせず泣くでも笑うでもなく、無表情を作っていた長男の顔が印象に残っています。
後で聞いた話ですが、手元に置きたい祖父母が心ない事を言っていたようで・・・次男だけ可愛がって、自分は捨てられたのかと思っていたようでした。
この時の心の傷が後々まで彼の心に影を落としたのではないかと思っています。
子育ての中で生じる沢山の不安
ここ数日、ひきこもりが起こした事件が沢山報道されています。
自分とは、我が子とは関係無いと考えますか?考えたいですよね。
でも。ひきこもり、ニートを抱えている家族は他人事ではなく報道を見ていると思います。
私も以前はそうでした。
明日は我が身。そう思いながら生きてきました。
何故?世間は無関心を装っているから。
ここに来てくださっている方は無関心を装った人ではないと思っています。むしろ、悩んでいらっしゃる方のほうが多いのかもしれませんね。
ひきこもりやニートは自分自身に関係なくても生きていくことに問題はありませんよね。
でも。痴漢などの女性に向けた犯罪は?通り魔は?
そんな目に遭ってしまっても、無関心に黙殺されるのが現代です。いえ、昔からそうかもしれませんが、お節介焼きのおじさんおばさんが減ってしまいましたね。その分物騒になっているかもしれません。
登下校、駅からの道、バイト、仕事の行き帰り。我が子がいつ危険に晒されるかもしれない、または!!我が子が加害者になるかもしれない・・・
我が子に限って!!はあり得ないのです。
優しい子に育った。とても良い子だ。でも、ジャイアンがいるかもしれない。スネ夫がいるかもしれない。いえ、いるんです。自分と違ったものを排除するのが人間だから。
すみません、脱線してしまいましたね。
はぁ。子供にひとりで色々な経験をさせてあげられない、嫌な日本になったものです(T_T)
問題児を発達障害と想定する必要性と危険性
色々思い出したりしてきましたが❌しておりますが(笑)
問題児、20年前は扱いにくい子でした。親としてはそれはそれでも構わないのですが、やはり一度は障害の有る無しを確認することは大切ではないか、と考えます。
なぜなら。治療することでこの世の中で生き易くなることもあると思えるからです。子育てとは子供が自分で生きられるようになるのが子育てだとと思うから。
ただ、問題児を単に発達障害として捉えるのは危険であるとも思っています。我が家の息子達はかぎり無く発達障害に近いと思っていますし、心療内科で相談したときにも、暫定的に『そうである』と認められました。今更のようではありますが、どうせなら一度検査を受けてみたいと思っています。(私も〜)
何故なら。彼らは、あまりにも世間に順応していないので。
この後、龍①、龍②は保育園に通園していくことになります。社会への第一歩ですね。
そして、それは龍①の苦悩へのスタートでした。
次回の『長男・龍①の物語』をよろしくお願いします。