子供の頃から変人で、片付けができなくて、学校の机の中も子供部屋もゴミ箱で、連絡とか手紙の受け渡しとか、事務的なことが一切できなかった次男。
28歳の誕生日を目前に、発達障害/ADHDと診断され、投薬治療を行なっています。
きっとなれます。なれると、結構信じています。
果たして、発達障害者、ADHDの彼は、この先自立して生きていけるようになるのでしょうか?
薬、コンサータ錠を飲み始めて2ヶ月。なんとなく普通の人のようになってきて、なんかちょっと変な感じです。
でも、薬でそんなに変化があるのであれば、何も見えず闇雲に生きるより、断然希望があります。
それに、治療前は変な人だけど、社会人として何となく生きられていました。ですから、きっと大丈夫なはずです。
そのことを具体的に検証していきます。
コンサータ錠と仕事
発症(悪化?)してから休職していた次男ですが、状況が急展開、会社から嬉しい提案を受け、11月より名古屋にいます。寮のようなところで暮らしているので、ひとりでもなく、ちゃんと仕事にも行けているようで、少し安心しています。
薬を服用しているときは普通の人なので、その点でも安心。
彼の症状がよくない時、というのは、全く会話にならず、小学校低学年の子供と話しているのと大差がありません。
混乱していたり、話を聞いていなかったり、全然起きられなかったり。
そして、実家にいることで、何もしなくても生きていけるため、それはそれは『猫並』の状態。お犬様であれば人の目も意識しますが、それも無いので猫並。
これで薬がなかったら、社会復帰は無理だろう・・・そんな状態です。
繰り返しますが、彼のお薬はコンサータ錠。『神経中枢刺激剤』怖い名前のお薬ですが、きっかけになって良かったと、今は納得しています。
現代社会で生きていくためには
これが昭和、50年ほど前であれば、時代もゆっくりしていたので、なんとなく生きて行けたと思うんです。
しかし。平成の失われた30年の間に産まれ育ってきた、平成ひと桁世代。とても生き辛いと思います。
バブル崩壊とともに世の中の価値観が変わってきて、徐々に世の中が貧しく、息苦しくなってきて、個々の能力よりも、『他人と同じ』の方が尊重される現代では、彼らのような性質を持つ者は、居場所を確保することが非常に難しいです。
それでも、この時代に、この日本に産まれ落ちたからには、なんとしてでも生きていかねばなりません。
精神障害ほどの症状でもなく、健常者に見える。知的、身体的にも何の問題もない。対人もまぁ付き合える。でも、その発想はかなり突飛で、行動はハチャメチャ。注意力散漫、普通であることが納得できない。
このようなグレーゾーンの発達障害者は、かなり世間での順応が難しいらしく、離職率が高いみたいです。一般雇用の場合、1年間に離職する率は40%近くにもなるそうで、まぁ想定内・・・と言わざるを得ません。
こちらの記事では離職に関してだけではなく、発達障害者のについても詳しく書かれています。
こんな現状を知ったからといって、本人・家族の状況が改善されるわけではありませんが、現状を知らないと対策も考えられませんから、敵を知ることはとても大切!
え、敵って?敵は、世の中と本人の特性です。
社会で生き延びるために、何が欠けているのか、逆に長所は何なのか、どうしたら改善されるのか、適応できるのか。それを知ることで大きく変わってくるはずです。
拭えない薬に対する不安
9月後半よりコンサータ錠を飲み始めて2ヶ月。正直言って、薬に対して手離しで信頼している訳ではありません。
それだけの効果が得られるということは、それだけ体に負担があるということ。実際、数日おきにひたすら眠る日があり、そんな息子を見ていて不安でした。
今月からは側にいないため、はっきりとした様子は分かりませんが、連絡の内容が以前より理論的で、何か違います。元々屁理屈で理屈っぽい性格ではありますが、理路整然としていて、『同僚だったかな?』と思えるようなやりとりをしています。
そんな、取扱注意の『中枢神経刺激剤』。これを長く飲み続けることで、この先どんな影響を及ぼすようになるのか、先生の言われる、断薬する時に日常生活がまともに送れるのか、
不安はたくさんあります。頭痛は常にあるようですし。
それでも、今はこの薬がないと厳しいので・・・
本人に聞いたところ、薬を飲まずに出勤したら『笑えるほどポンコツだった』そうです。自覚があるほど違うのですね。
発達障害の子供は育てにくい!
息子たちがおかしい、発達障害ではないか?と気付いたのは、長男が最初のメンタルクリニックに通っていた、18歳の頃でした。
その頃は子供のメンタルヘルスについて本を読み漁っていて、長男の問題行動を解明したいと、真剣に向き合っていました。
その中で出会った言葉が『アスペルガー症候群』
息子たちには、発達障害の子供達に見られる特性が随所に見受けられ、それまで悩んでいたことが一気に溶け出すような思いを抱きました。
幼少期からの『育てにくさ』はこれが原因だったんだ!と気付き、他所のお子様と比較して、我が子の『聞き分けの悪さ』が子供特有のもの、ではなかったことを、その時から理解できるようになりました。
息子、18歳と17歳。誰かもっと早く教えてくれよ〜〜(時代のせい)
【部屋の乱れは心の乱れ】ADHDの頭の中と薬の与える影響
3週間ぶりに次男と電話をしていて、その後の様子を聞いてみました。
以前と変わったことのひとつに挙げていたのが『優先順位を考えるようにしている』こと。
「今まではできていなかったのか〜!!!」驚きました。なるほどね〜。部屋と同じく、頭の中も散乱していた訳ですね。
『部屋の乱れは心の乱れ』とは、よく言ったものです。つまり、これは心の乱れではなく、頭の中の乱れ、なのですね。
だとすると、相手の頭の中がどういう状態か、ある程度可視化できる!そういうことか!!
そう考えると辻褄が合う・・・すごい!!諺すごい!昔の人ってやっぱすごい!
名古屋に行ってからの彼は、公の環境で暮らしているため、自分を野放しにできません。時間も空間も整理整頓しなければいけない。
これを『脳の負担になるから』と過保護にしなくて本当に良かったです。生きるために自分の思考パターンを組み換えしている訳ですから。
それを可能にしたのが、薬です。
ある日、実験的に服薬をせずに通常の日常を試してみたそうです。「ほんまポンコツだったわ」と息子。『それでも通常通りにやろうと頑張ってみたところ頭が痛くなった』そうです。
つまり、とっ散らかった部屋の砂埃を片付けるためには掃除機が必要なように、熱を持ちすぎた室内を冷やすためには冷房が必須なように、
『頭の中を強制的に整理するためのツールが薬』なのだということです。今の彼にとってはそれがコンサータ錠。6時間でリセットできる、タイマー付きエアコン。冷えすぎないように止めることができる。
ただし、これをずっと使っていていいのか・・・
薬と付き合い続けるのか、代替療法が見つかるのか、服薬しなくても自分をコントロールできるようになるのか。
その点がこれから先の大きな課題です。
【疾患と食べ物】お腹の中にいた時からの嗜好
代替療法として考えられるのが、食生活。
精神疾患の多くはホルモンバランスが影響していると言われます。体質的に一定のホルモンが作り出される量が少なかったりして、それが脳の働きに影響しているそうです。
3人の子供を妊娠していた時の経験、これは何か大きな意味があると信じて疑わないのですが、我が家の子供達は3人とも食の嗜好がバラバラなのです。
食の嗜好、それは出生後ではなく、お腹の中から発生していたと考えられます。
何故ならば、3人とも妊娠初期はつわりがひどく、長男と長女の時は入院したのですが、妊娠中、特に初期段階でそれぞれ食べたくて仕方のないものがあり、これが下記のようにそれぞれバラバラだったのです。
- 長男のつわり時期は11月なのにスイカが食べたくて、水を飲んでも吐くようになるまではスイカが主食だった
- 次男の時、つわりを軽減してくれたのはウナギ。私はそれまでウナギは嫌いだったのに、ある日突然頭に閃いて、食べるとつわりが治まってきたのです。
- 長女の時はミカンとトマト。ちょうど時期的にも12月頃だったこともあり、ミカンを箱ごと抱えるようにして食べました。それまでも今でも。目の前に置かれていても週に2個も食べないのに。
この経験で不思議なのは、それぞれで全く違うものを欲し、それが私の嗜好には全く関係がない点。そして、その食べ物が、それぞれの子供の好物だった、ということ。
成長するに従い、その食べ物を特別好むようになって、その不思議さを笑い話にしか捉えていなかったのですが、もしかすると、細胞が人間として作られていく段階で、その個体に不足しているものを欲していたのではないか?と考えると・・・
いずれ、近いうちに改めて分析してみたいと思います。
自分自身をコントロールできる日に向かって
発達障害、ADHDと共に生きるためには、自分をコントロールする力が必要です。これは、健常者と比較して、だいぶん頑張らないと難しいと感じます。
ですが、適切な治療、個体に適した食事を摂ることで、より生き易い状況を作り出せるのではないか、と考えています。
食事に関しては実験的に行うことしかできず、その結果は感覚的なものでしか測ることはできませんが、おそらく、嗜好と強い関連があるはずですので、含まれている成分と、病気とホルモンの関係を調べれば、何か答えが見つかると思っています。
長男、次男の病気が、家族全員の人生をより良いものにしてくれていますね。
しんどかったけど・・・神様に感謝です♪