【傷病手当金】病気やケガで会社を休んだときにするべき3つのこと

突然の病気、怪我、働けなくなった!!どうしよう!!来月の給料が出ない!!

そんなことは、派遣などの時間労働で働いている人であれば、突然起こりうる、まさに自然災害のような事態です。

数ヶ月前、貯蓄ゼロの次男を襲った、不調、休職保険の問題、収入の問題。

このように、完全に詰みとなった時、打つ手はないのか!?

正直なところ、完全に詰んで、頼る人が身近にいなければ、即路上生活が待っている可能性が高いです。うまくいけば生活保護・・・しかし、うつ病などの場合は申請などの事務作業をするのはかなりハードルが高い。

でも、そうならないように、健康な状態のときに予防策として、知識を持ち、病気時の対応マニュアルや書類を用意しておけば、収入を得ながら十分に休養が取れるようになるかもしれません。

詰んでしまった時

このままでは働けなくなる!と思ったら!!

『あなた、何か変よ、大丈夫?』本人が気付かなくても、周囲からそう声をかけられることがあるかもしれません。

総じてメンタルを病んでいるとき、自分では気付かないものです。悪化してくると特に。

次男もそうでした。長男が次男の異常に気付いたのはお盆頃。『最近眠れないんだ、何か良い方法ないかな?』と相談してきたころからは、もう3ヶ月以上が経過していました。

長男の話から『これは随分良くない状態だな・・・』と感じたので、すぐに会社を休んで病院に行くように遠隔指示しました。

ここまでは正解!なのですが、知識不足により休業時の補償金【傷病手当金】の受給ができなかったので、どうすればお金を貰いながら休職できるか、ということを説明していきます。

【傷病手当金】労働時間外に発生した病気、事故でもらえる補償金

まず。休業時お金をもらえる、という制度は国民健康保険にはありません。ですから、国民健康保険に加入されている方は、個人の保険等を充実させる必要があります。

ですから、ここからは社会保険に加入されている方だけが該当します。これは国保になって初めて知ったこと・・・無知って損・・・

それから、休職する病気・怪我の原因が、労災の範囲の方は申請方法が異なりますので、ご勤務中の会社にお問合せください。

傷病手当金を受給する5つの条件

傷病手当金とは国保ではなく、社保加入の方に該当する手当金

社保には大きく分けて、中小企業さんが合同で加入している『協会けんぽ(全国健康保険協会)』と大企業さん独自の健康保険『組合健保』があります。

『組合健保』(←例としてNTT組合健保)はそれぞれの会社ごとに違いがあると思いますので、ここでは『協会けんぽ』の制度について、説明します。

まずはこちら、協会けんぽのHPをご覧ください。

病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

支給条件は 次の4つの条件をすべて満たすことです。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと (判定は、主治医の意見等を基に判断)
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと

いかがですか?意外と障壁が低いと感じませんか?

そうなんです、私もそう思っていて、これなら次男も傷病手当金の支給対象になるわ、と楽観的に捉えていました。

しかし!!!もうひとつ大きな条件があり、運悪く、その条件にあてはまってしまい、2ヶ月間の傷病手当金を受給できませんでした

この5つ目、要注意です!!

【資格喪失後の給付】受給できなかった3つの過ち

資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態[(1)(2)(3)の条件を満たしている]であれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます。ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。

全国健康保険協会HP より引用

少し意外なんですが、社保から外れてしまった後も傷病手当金を受給することができます。

その条件は上に書いてありますが、社保に1年以上加入していて、その間に休業に該当する状態になっていて、医者の診断書が貰える状態であれば支給される、ということです。

では、退職したわけでもなく、社保に加入していた次男が支給対象にならなかったのか?

そこには想定外の落とし穴がありました。私自身も、おそらく会社の方も、知らないが故に、大きな3つの誤りをしてしまったのです。

重大事項①健康保険の切り替えはなされないか?

重大事項①『休業期間中、会社が社保から脱退させた』

私が勤めていた会社でも、他の方のお話でも、あまりこの経験はなかったので、これには驚きました。1ヶ月ほどの休職で社会保険から外す、なんて・・・雇用保険はそのままなので、おそらく経費節減の考え方なのでしょうが。

それとも大阪本社なので地域性・・・?派遣会社だから?次男は派遣会社の社員です。

本人が理解しておらず頭もはっきりしない状態での通告だったので、会社に掛け合うこともなく、私が知った時はすでに月を越えており、手続きがされてしまった後でした。

これは要注意です!会社側としてはその月の給与が無いから止めたのでしょうが、その分を本人に請求するのか、外すのか、一方的ではなく告知、相談すべきだと考えます。

休職される際は、この点のご確認をお勧めします。

重大事項② 診断書を書いてもらう

重大事項②『初診時、または2回目の診察を受けた時に診断書を書いてもらわなかった』

これは、私の中でも失念しており、大変後悔している点です。

会社側も診断書の提出を求めず、すぐに休職願いに応じてくれたため、『診断書を貰う』ということを、ころっと忘れていました。これが後々大きな損失につながります。

今の主治医に言われた『休職する、というのは医者が仕事をできません、と診断した上で職場に申請することだろう』という言葉。確かにそうです。

診断書を書いてくれない場合もあると思いますが、休ませて貰えない会社の場合はこれは必要ですよね。

【傷病手当金】の申請をするのは労災と違って『健康保険協会』なので、そこは頑張って医師と話しましょう。

そうすることで安心して心身を休めることが可能になります。

重大事項③ 病院へのかかり方/資格喪失に要注意!

重大事項③『保険が社保から国保に切り替わったあとで病院を変わってしまった』

①②はまぁまぁ納得、こちらの落度も大!なのですが、③の事柄。これは申請書にもHPにも記載がなく、窓口で問合せをして初めて分かったことです。

資格喪失後の申請、できるケースもありますので、是非知っておいてください。

今回我が家が失敗してしまった事例を時系列に沿って説明します。

傷病手当金はこうしていれば受け取れていた!

  1. 8月10日:症状を確認した 
  2. 8月13日:A病院に診療予約→1ヵ月待ちと言われる 
  3. 8月13日:B病院で初診、 ADHDと診断
  4. 8月16日:休職願いが受理される(休職1ヵ月半予定)
  5. 8月19日:B病院の診察に疑問、A病院受診予約をする
  6. 8月20日:B病院でA病院に紹介状を書いてもらう
  7. 9月3日頃:保険を外すらしい、と次男から聞く
  8. 9月より社保資格喪失、国保に加入
  9. 9月10日:A病院を受診

これが一連の流れなのですが、問題なのは、3の初診時、もしくは5の診察時に傷病手当金の申請準備をしていなかったことが一番の落ち度です。

では、どうしていれば良かったか、というと

  1. 8月10日:症状を確認した 
  2. 8月13日:A病院に診療予約→1ヵ月待ちと言われる 
  3. 8月13日:B病院で初診、 ADHDと診断 →診断書を依頼する
  4. 8月16日:休職願いが受理される(休職1ヵ月半予定)
  5. すぐに傷病手当金申請書類を用意する
  6. 8月20日:B病院で傷病手当金の診断書に記入してもらう
  7. 9月のB病院初回診察日以降の日程でA病院を予約する
  8. 9月より社保資格喪失、国保に加入
  9. 9月にもう一度B病院を受診→A病院への紹介状を書いてもらう
  10. 9月某日:A病院を受診

違いが分かりますでしょうか?

前項の5番目の条件、資格喪失後の支給要件に書いてある『 被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けている』を満たしている必要があったのです。

つまり、今回その要件から外れてしまったのは、『資格喪失日より前に受診はしていたけれども、社保加入時に受診した病院が、資格喪失後、国保になった後も引き続き証明を書いてくれること』を理解していなかった、というのが最大の理由です。

もし、その点をクリアできていれば、その後のA病院でも診断を書いてもらうことができ、傷病手当金を2ヶ月間受給できたのです。

これが理解できていなかったため、次男はさらにお金に困窮することになりました。

まとめ/病気やケガで会社を休んだときも収入を得るために

最近の発表で、日本全体の年収中央値はザッと300万円前後、手取りで15~20万円ほど、多くて25万円ほど、だそうです。

https://career-picks.com/average-salary/nenshu-chuochi/

実感としてもそのように思いますよね。

この収入で貯蓄をしていくのはなかなか大変だと思います。本来であれば3ヶ月休んでも生きていけるだけの貯蓄は欲しいところですが、なかなか難しいのが現状でしょう。

ですが、緊急の場合にこそ、各種制度を利用して生き延びること、その知識を持つことはとても大切だと実感しました。

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完全に心や体が壊れて退職してしまう前に、様々な手当を受給できる状態にし、収入をある程度確保して休職、その後失業給付に切り替え、ゆっくりと次の行き方を模索していく、そういった手段を選択することは大切です。

でも、心が磨耗しきっていたり体が動けないときに、1から調べたり申請するのは本当に大変です。日ごろから『まさか』に備えておくことが、イザというときに自分を守ってくれるのではないでしょうか。

限りある命、自分でしっかり守ってください。

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